ずいぶん前に書いたキョン古。
時間的には、消失後。
時間的には、消失後。
【ありふれるはずの日常】
例えばの話だ。
もしも、ハルヒが何の力も持たないただの人間で。
長門も、ただの読書好き少女で。
朝比奈さんはただのグラマラスな先輩で。
もちろん古泉も、ただの男子高校生だったなら。
って、まぁ実はこんな世界は既に実体験したのだが。
もし、最初からあんな世界だったら俺達はどうなっていたんだろうな?
古泉はきっと自分を押し殺すなんて真似をしなくてすんだんだろうし、
あんな暗い閉鎖空間なんかに行って馬鹿でかい神人なんかと戦う必要もなかっただろう。
お前には、本当ならそっちの方が良かったんじゃないか?
あっちの世界で、ハルヒが好きだとか言ってたお前は、
本当に普通の男子高校生だったぞ。
なんて、言ってみた。
その時、古泉がちょっと泣きそうな顔になった気がした。
しかし、すぐにまたいつもの微笑になって。
「貴方は、酷い方ですね」
そう、微笑いながら言った。
『この世界でなければ、貴方に逢うことすら叶わなかったでしょう。
そして
この世界でないのならば
僕が、貴方を想う心は無かったことになってしまうのでしょう』
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