【恋に気付いた友愛のお題】より「04. 例えば君に恋人が出来たら」
久々に。友愛。
え、これの3書いたのって、2009年の8月なの。
どんだけ放置なのｗｗ
でも、内容覚えてる私。
どんだけユーリ好きなの。
大好きだユーリ！！！
04. 例えば君に恋人が出来たら
「・・・おはよう青年！爽やかな朝だねぇ・・・って、うわ、どーしたのよその顔」
朝、部屋に遠慮なく入ってきたおっさんは、オレの顔を見るなりそんなことを言った。
「なんだよおっさん。オレの顔がどうかしたのか？」
「どうしたっていうか・・・青年、寝てないでしょ」
「いや、そんなことねぇけど・・・」
「嘘。目の下、すんごい隈よ？」
そう言われて、鏡を見る。
鏡に映ったオレの顔は、確かにひどいものだった。
「・・・・マジかよ・・・」
「もしかして・・・青年、フレン君の話聞いたわけ？」
「・・何で、そう思うんだよ」
「んー、騎士団内じゃあえらい噂になってたみたいだからねぇ」
―『彼、結婚する気があるのかしらね』―
ふと、ジュディの言ってたことを思い出す。
「アイツ・・マジで見合い、するのか？」
・・・今まで断っていた見合い。
もし、するなら・・・・結婚するつもりってこと、だよな―――
オレの言葉に、おっさんは意外そうな顔をした。
「あれ、その見合いが今日だっていうのは・・聞いてない？」
おっさんの思いもよらない言葉に、オレは思わず立ち上がった。
「は！？今日！？」
「その反応は、聞いてなかったってことね」
「・・・・・」
そんなこと、聞いてねぇ・・・
何一つ、聞いてねぇよ・・・！！！
「で・・・青年のその隈は、その話を聞いたことが原因なのかな？」
「別に、関係ねぇよ」
オレが答えると、レイヴンはにまにまと笑う。
「強がっちゃって。青年は、ほんっとにフレン君が好きねー」
「は・・・？何、言ってんだよ」
「あれ、自覚無し？」
「自覚って、何のことだよ」
「あのねー・・・青年、鋭いようでいて、案外鈍いのね？」
「鈍いって、だから何のことだ？」
「ちょっと自分で考えてみなさい、青年！悩み悩んでこそ、青春！」
ばんばんと背中を叩いて、おっさんは部屋を出て行った。
「・・・・何なんだよ、一体・・・」
＊＊＊＊＊＊
「今日の仕事は、これで終りね」
「うーっ、疲れた〜！！」
ギルドの仕事が一段落して、オレ達は帝都に戻ってきた。
空は、もうすでに暗くなり始めている。
もう、見合いは終わった頃だろうな。
「・・・・・」
「ちょっとユーリ！何さっきからボーッとしてんのよ？」
「いや、何でもねーよ。ちょっと寝不足なだけだ」
「寝不足ぅ？」
リタは疑わしそうな目を向けてきたけど、すぐにオレの向こう側を見て「あ」と声をあげた。
「あれ、フレンじゃない？」
「隣にいるのは・・・例の、見合いの相手かしらね？」
その言葉に、俺は反射的に振り返っちまった。
見たいわけじゃ、ねぇのに。
「・・・・・・」
フレンの隣にいるのは、オレから見ても美人な女。
お似合い・・・なんだろうな。あれは。
「ユーリ」
気がつくと、ジュディがすぐ横に立っていた。
「・・・・・」
「大丈夫かしら？」
「別に・・・大丈夫もなにも、オレには関係ないだろ」
「あら？私は、寝不足のことを聞いただけよ？」
「っ・・・・・・・」
「貴方、思っていたより素直なのね」
ジュディの言葉に、思わず顔が赤くなりそうなのをどうにか抑えた。
ジュディだけならともかく、リタやカロルの前でそんな顔はしたくない。
「で、本当に大丈夫なのかしら？」
「だから、オレには・・・」
「関係ない、かしら。でも、関係ないのなら、どうしてそんな顔するのかしら？」
「そんな顔って、何だよ」
「辛そうな顔してるわよ、貴方」
「・・・・・」
あそこにいる女と、フレンが、結婚する。
別に、いいじゃねーか。
オレとフレンは、親友だ。その親友に、結婚相手が出来た。
それだけじゃねーか。
もし、この見合いが上手く行って、フレンが結婚したとしても。
別に、オレ達の間には、何の変化もない。
・・・・けど、それなのに
どうしてこんなに、胸が痛むんだ。