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2024/12/05 13:43 |
口移しなんて当たり前?(TOV/FY)
『バカップルな2人のお題』より「05. 口移しなんて当たり前?」

真性バカップル。
ユーリも、フレンとの間のコトに関しては、
常識というものが麻痺しているといい。


とりあえず書きたかった、○○○○○○口移し


これで、『バカップルな2人のお題』はコンプリート



++++++++++


05. 口移しなんて当たり前?




「ユーリ!!危ない!!!」
「避けてくださいユーリっ!!」

仲間達の叫び声が、ユーリにはどこか遠くで聞こえていた。

目の前に迫ってくるのは、敵が放った魔法。

「っ・・・・・・!!!!!」

元々バランスが崩れた体勢だったユーリは、
ガードをすることも出来ずに攻撃を受けて地面に倒れた。

「ユーリ!!!!待っててください、今回復魔法を・・・っ!?」
「エステル!!今は無理よ!敵が多すぎるわ!!」
「でもリタ・・!このままじゃユーリが・・!」

遭遇している敵の数は、いつもよりも格段に多い。
ジュディスやカロル、レイヴンも身動きが取れない状態だ。
しかし、気を失っているユーリをこのままにしていては、
さらに敵に傷つけられてしまう。

「分かってるわよ!でも、あんたも詠唱してる余裕がないでしょ!
 道具を使おうにも、この距離じゃ・・・って、え・・!?」
リタの隣を、誰かが駆け抜けた。

その後ろ姿を見て、エステルは声をあげた。
「あれは、フレン!?」
「どーしてアイツがこんなとこにいるのよ!?」


フレンは襲いかかってくる敵をかわしながら、
多少攻撃を受けても、怯むこともなく真っ直ぐにユーリの元へと走っていた。
それを見て、レイヴンはフレンに襲いかかろうとする敵に向かって矢を放った。

「まぁ、今はとりあえずフレン君の援護をしましょーよ。
 おっさん達よりも、フレン君の方が青年にたどり着けそう、よ!」
「うん、そうだね!」
「分かったわ」



他のメンバーが敵を片付けている間に、フレンは何とかユーリの元へたどり着いた。


「ユーリ・・・!」
「・・・・・・・・・」
呼吸は浅く、抱き起こした身体は熱を持っていた。

「フレン、危ないです!!」
「っ!!!」
エステルの声がした直後、目の前で魔法が爆発した。
敵の放った魔法を、リタの魔法が相殺したのだ。
「ちょっと!早くしないと、マズいわよ!!」

「分かっている!」

一刻も早く、ユーリを回復させなければ・・・!

フレンはライフボトルを手に取ると、ぐい、と自分の口の中へ含んだ。

「ちょっ、あんた何するつもり・・・!!」
リタが全てを言い終える前に

「え、えぇ!?」
「あらあら」

フレンはユーリの頭を支えると、その唇に己の唇を当てた。

「・・・・っん・・・・っ」
「ん・・・」
「・・・・ん、く・・・・・・」

ユーリの喉が、上下に動いた。

「ユーリ」
フレンの声に、ユーリがうっすらと目を開ける。
「あ・・・・フレン・・?」
「ユーリ、立って。まだまだ敵がいる」
「あ、あぁ・・・」
まだ状況を把握しきっていないユーリを、フレンが起こした。
「さぁ、早く片を付けよう!」
「あぁ、分かった!」








「・・・・で、何でフレンがここにいんだよ?」
全ての敵を倒し終えて、一行は宿へ来ていた。
一度倒れたユーリが心配だからと、仲間達は早々にユーリを部屋へ押し込んだ。
その時、ユーリは話があるからと、フレンを部屋へ呼んだ。
「ユーリ達があの場所に向かったって聞いて、心配だったんだ。
 元々あの場所は、良くない噂が流れていたからね・・・・」
「そうか・・・・じゃあ、もう一つ聞きたいことがあるんだけど」
「何だい?」
「俺、お前に助けられたんだよな?」
「あぁ」
「その後、アイツらが俺を見て顔を赤くするのは、何でだ?」





―――数刻前―――





戦いが終わった後、離れていた仲間達の元へフレンと一緒に戻ると、
何故かリタとカロルが真っ赤になっていた。
「どうしたんだ?」
ユーリが問いかけると、さらに赤くなる。
「べ、別に!な、何でもないわよ!」
「そ、そうだよ!僕たち、別にユーリにフレンが「おっと!」
カロルが全部を言い終える前に、レイヴンがカロルの口を封じた。
「・・・・?フレンが、どうかしたのか?」
「いんや~?何でも?」
レイヴンは、いつも通りの胡散臭そうな笑顔を向けるだけだ。
詳しく問いつめてやろうとしたところで、「そこまで」と割って入ったのは、ジュディスだった。
「戦闘も終わったんだし、こんなところで立ち話はどうかと思うのだけれど?」
「そうそう。おっさん、もう疲れちゃった」
「ね?とりあえず、宿屋に向かいましょう?」
ジュディスに笑顔でそう言われると、どうにも逆らえない。
ユーリは、仲間達の態度に首を傾げながらも、町へ向かうことにした。





――――そして、今に至るわけである。






「なーんか変なんだよな、あいつら」
「そうかい?」
「あぁ、俺が部屋に入る直前のエステルの言葉も気になるし・・・・」

ユーリがフレンと部屋に入る時に、エステルは2人を見て頬を染めながら言ったのだ。


――――ユーリとフレンは、本当に仲がいいんですね――――


「・・・あれは何だったんだ?」
「うーん・・・・・・」
フレンはしばらく考え込んでいたが、何か思い当たったのか、
「もしかしたら・・」と小さく呟いた。
「何だ?心当たりあんのかよ?」
「あぁ、さっきの戦闘で・・・ユーリを助けた時にね」
「やっぱ、あん時か・・・何があったんだ?」

「うん、僕がライフボトルをユーリに飲ました時かな・・・って」
「はぁ?」
「いつも通りの飲ませ方しちゃったから・・・」
「いつも通りって・・・アレか?」
「うん、口移し」


その言葉を聞いて、ユーリは首を傾げた。



「・・・・・それって、別に驚くことでもないよな?」



「僕もそう思うんだけどね」
「だよなぁ・・・変なヤツらだな」
「それよりも、ユーリ。あんまり無茶をしないでくれよ。
 僕は、いつ君に何が起こるか分からないと思うと、気が気じゃないんだから」
「ばーか、お前は心配しすぎなんだよ・・・・」








扉越しに聞こえてくる甘い会話を聞きながら、カロルは何とも言えない表情でレイヴンを見た。
「・・・・・ねぇレイヴン・・・アレって普通なの?」
「いやぁ・・・おっさんは、どっちかというと青年達が変わってるだけだと思うわ」

カロルとレイヴンとは少し離れた場所で、エステルも首を傾げていた。
「ユーリとフレンほど仲が良くなると、アレが普通になるんです・・・?」
「違うと思うわよ?」
お姫様らしい問いに、ジュディスが笑顔で即答した。
「そうよエステル、あの2人がおかしいだけだから」
リタも、うんざりしたような表情で答えた。




部屋の中からは、まだ甘い甘い会話が聞こえている。

「はぁ……」

エステルとジュディスを除く全員が、扉を見ながら大きなため息をついたことを、
部屋の中にいる2人には、知る由も無かった。


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2009/06/29 09:47 | Comments(0) | テイルズ(V:フレユリ/S:ロイゼロ中心)

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