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2024/07/07 23:18 |
風の行方【2】(TOW/主人公×リオン)
妄想は爆発するけども

書いていると、途中で疲れるというorz...



リオンが乙女。
まぁ、ディセンダー相手だとこうなると。
スタンが相手だと、もっとツンツンしてっといいな

+++++++



の行方【2】



「……」

ドープルーンの広場に、リオンは独り佇んでいた。
密林での依頼を終えて、町へ戻った時には、
もう日が沈みだす頃だった。
スタン、ルーティ、ロイドは宿屋で食事をするということだったが、
リオンはどうしても誰かといる気にはなれなかった。
その為、誘いを断ってこの広場へやってきた。
ふと、風が吹き抜ける。

「風が……」

アイリリーから吹く風の匂いは、彼の匂い。

「お前は…今も世界を見守っているのか……?」

世界を救い、そして…リオン自身も救ってくれた。
故郷も元に戻り、大切な人々も戻ってきた。

けれど

彼は、戻ってこなかった。

「……お前は…帰ったのか……?」

遠くに見える世界樹に向かって呟く。
その時、背後から何者かの足音がした。
「っ!?」
反射的に振り返ると、そこには見慣れた長い金髪があった。
「よぉ、リオン」
「…スタンか……何の用だ?」

覇気のない声。
スタンは小さくため息をついた。

「なぁリオン…お前、最近なんかおかしいぞ」
「そんなことは…ない」

そう言いながらも、スタンと視線を合わさない。

「嘘つくなよ」
「僕は嘘なんかついてない!」
「アイツがいなくなったからだろ!?」
「っ………!」
単刀直入なスタンの言葉に、リオンは怯んだ。

「アイツがいなくなってから、なんかお前…変だよ」
「……そんなことは、ない。アイツは自分の役目を終えて…
 在るべき場所へと帰った…ただ、それだけだ。
 僕にとっては、何も変わらない。
 今までと同じ毎日に戻っただけだ」

自分に言い聞かせるような、リオンの言葉。
その声は、聞いているスタンですら胸を締め付けられるような色で…。

「強がるなよ!リオン、お前…本当は会いたいんだろ!?」
「そんなことは……」
「そんなことないって?じゃあ…じゃあ、何でお前泣いてんだよっ!?」
「ッ………!?」

スタンの言葉で、リオンは初めて自分の頬を流れる雫に気付く。

しかし流れる涙を止めようともせず、リオンは再び世界樹を見た。

「こうなることは…アイツが僕の前からいなくなるのは、分かっていた。
 けど、消えてしまったワケではない…
 アイツは世界樹…いや、この世界そのものだ。
 本来の姿に戻っただけだ…ならば、これでいいハズだ」
「けど、お前は会いたいんだろ!?」

スタンの言葉は真っ直ぐに、リオンの心に響く。

「僕は……」


思い出すのは…力強い言葉、笑み
それに、幾度となく救われた。


「僕は………アイツに…会いたい、のか……?」


あの、ディセンダーに

もう1度


「世界樹の麓」
「え……」

その言葉に、リオンはようやくスタンを見た。

「アイツが最初に見つかった場所。ロイドが教えてくれたんだ」
「世界樹の麓……」
「行ってこいよ、リオン」
スタンが、ウインクをする。
「しかし、明日にはまた任務が……」
「そんなことは気にすんなって!俺がちゃんとフィリアに言っておくよ」
「スタン……」

「なっ?」と言いながら、笑う顔。
最初はお節介で鬱陶しいと思っていた。
しかし、今では分かる。自分が一体どれだけ支えられて生きていたか。

それを教えてくれたのも―――あの、銀髪の――


「……フン…本当に、お前はお節介だな」
「なっ……」
「ありがとう」

スタンが文句を言う前に、リオンはそう告げた。

「リオン…」
「明日の朝には戻る」

リオンの表情に、以前までの輝きが戻っていた。
スタンも再び笑顔になる。

「…おぅ!ちゃんと連れて帰ってこいよ!」
「お前に言われるまでもない」


リオンは、足を踏み出した。



世界樹に向かって


アイリリーから吹く風に…再び会うために

 

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2009/03/02 11:49 | Comments(0) | テイルズ(V:フレユリ/S:ロイゼロ中心)

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