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2024/10/06 07:44 |
悪戯心

初、キョン古。
ハロウィンネタでございますよ。
気持ち、15禁くらいですよー。

もし、ハルヒがハロウィンをきっちりできてたらって話。
一種のパラレルですよ




+++++++


悪戯心


 

毎回のイベントを、きっちりやる主義だというのは前に聞いた。
それに巻き込まれるのも、いい加減に慣れてきた。

もちろん、慣れたくて慣れたわけではない。

慣れなければ、そのうち精神崩壊を起こしてしまうだろうから、
これは一種の防衛反応だろう。決して、楽しんでいるわけではない。


そして今日は、10月31日。
何の日か、というのは言うまでもないだろう。

ハロウィンというやつだ。
まぁ、俺はつい10分ほど前に

「今日はハロウィンよ!」

と叫びながら部室に入ってきたハルヒによって思い出さされたわけだが。

 

 

ハルヒの相変わらず無茶苦茶な計画によると、
今日の活動は近所の仮装大会に出場することらしかった。


却下だ


と言った俺の言葉は、相変わらず聞こえなかったらしく、
全員で参加することになってしまった。

衣装はどうするんだと聞くと、
「心配ないわよ!もう用意してあるから。」
と、どこからぶん取ってきたのか―まぁおそらく演劇部辺りだろう―
5人分の衣装を出してきたのだ。


どうせ逃げられないと、ため息をついて衣装を受け取り、
女子が部室を使うというので、
着替えるために古泉と2人で空き教室へと向かった。

 


「こういったイベントも、なかなか面白そうですね。」

にこにこと喋るコイツの思考がわからない。
高校生にもなって、ハロウィンでここまで盛り上がるか?普通。
それにな・・・・・・

「なんで俺が、尻尾と耳なんて生やさなきゃならんのだ。」
「おや、結構お似合いですよ?」

もちろん褒められても欠片も嬉しくはない。
今俺がさせられているのは、いわゆる狼男だ。
それに対して、古泉の衣装はいたって普通。
言うならば、マントが邪魔だと言うくらいで。

「まぁ、吸血鬼ですからね。」

しかもイケメン効果か、妙に似合っている。

と思って見ていると、古泉が微笑む。

「似合いますか?」
「いいや、全く。」

俺は即答してやった。

「そうですか?結構いいと思ったのですが。」
「自分で言うな。というか、似合うと言われて嬉しいものか?」
「えぇ、嬉しいですよ?僕はね。貴方は違うんですか?」

こいつ、分かってて聞いてるだろう。
さっき、欠片ほども嬉しくないと思っていたというのに。
相変わらず微笑んだまま、というのも気に障る。

 

と。

 

俺の頭が、ハルヒ並に―と言っても、アイツほど無茶苦茶なことではないが―
突拍子もなく、ある悪戯を思いついた。

 


「どうかされました??」


俺がじっと古泉を見ていると、古泉が首を傾げる。


「なぁ、古泉。」
俺は古泉の目を捉えたまま、にやりと笑う。
「はい?」
それでも目の前のコイツは微笑んでいる。
さて、コイツのこの微笑が、これからどう変わるかな?

 

「trick or treat」

 

「え・・・?」

突然俺の口から出た言葉に、古泉は一瞬頭に「?」を出した。
「ハロウィンって言ったら、これだろ。」
「えぇ、そうですが・・・・・・」
俺の言いたいことが理解できないのか、古泉は曖昧な表情をしている。

「お前、今何も持ってないだろ。」
この言葉でやっと理解したのか、古泉がいつもの笑顔に戻る。

「えぇ、持ち合わせていませんが・・・僕に悪戯するおつもりですか?」

そう、つまり俺が言いたかったのはこれだ。
悪戯させろ、と。

「珍しいですね、貴方がそんなこと言うなんて・・・っ!?」

前髪をかき上げようとした手を掴んで距離を縮めると、
さすがに驚いたのか、笑顔は消えていた。

「えっと・・・あの、何をなさるつもりですか?」

何って。さっき言っただろう。

「ただの悪戯だ。」
「あの、それは分かっているのですが・・・・・・」
至近距離で見つめられるのは、さぞ居心地の悪いことだろう。
しかし、何も言わずにさらに顔を近づける。
「あの・・・「・・・・・・・・・一樹。」

「っ!!」

何か言おうとした古泉の声を遮って、耳元で名前を呼ぶと、
古泉の身体がビクリと跳ねた。

こいつは耳が弱いことは、よく知っている。
さらに、名前を呼ぶのは決まってアノ時だ。


何故知っているか?
アノ時とはどの時か?
それをここで聞くのは無粋というものだろう。


さて、悪戯はこんなもんじゃ終わらないぞ。
どうするか・・・?


と、また俺の頭がくだらないことを思いついた。


今のうちに断っておくが、俺は別にこういったプレイが好きなワケではない。

 

「なぁ・・・」
「は・・・い・・・?」
耳を軽く噛んでやりながら呼びかけると、
古泉は身体を硬直させたまま小さな声で答える。


いつも思うが、こいつはどうしてこういう時と普段とのギャップが激しいのだろうか。


「俺は、今は狼男だ。」
「え・・・・・・」


ゆっくりと、首元に唇を下げてゆく。


「このまま、食ってやろうか・・・?」
「っ・・・・・・」


軽く首筋を噛んでやると、古泉の身体から力が抜けた。


「おわっ・・・・・・」
「あっ・・・」


どさっと、俺は古泉を押し倒す形になってしまった。
まぁ、別に全然構わないのだが。
それよりも、怪我はしてないだろうな?

「頭ぶつけたりしてないか?」
「あ、はい・・・大丈夫です・・・」

古泉が答えると同時に、遠くからバタバタと足音が聞こえてくる。
このうるさい足音は、どう考えてもハルヒだろう。

「涼宮さんが、来てしまいますよ。」
いつもよりも、僅かに動揺した声。
「・・・・・・・・・」
俺は少しだけ考えると、古泉の首筋にもう1度唇を寄せる。

「ちょっ、キョンく・・・・・・っ!?」

焦る古泉の声を無視して、首筋を強く吸ってやった。
まぁ、俺は吸血鬼じゃないんだがな。

紅い痕が残ったのを確認すると、すぐに立ち上がった。

それと同時に、教室のドアがものすごい音を立てて開いた。


「遅いわよ!!」
全く、ドアを壊す気か、お前は。
「大丈夫、この位じゃ壊れないわ!」
あぁ、そうですか。

「それよりも、古泉くんどうしたの?」

まだ床に座り込んでいる古泉を見て、ハルヒが怪訝な顔をした。

「いえ、ちょっと机に足を引っ掛けてしまいまして。」
大丈夫ですよ、と座り込んだまま微笑む。

立ち上がらない理由は、考えるまでもないな。

「で、俺たちは今からどこへ行けばいいんだ?」
「1回部室に戻ってきなさい。とりあえず、記念撮影しないとね。」
「分かった、俺たちもすぐに戻るから先に戻っててくれ。」

俺がそういうと、ハルヒは「早くしなさいよ」と言って、またバタバタと走っていった。


「古泉、立てるか?」
「・・・・・・まだ、無理です。」

さきほど、ハルヒと平然と会話していたのが嘘のように、
古泉は顔を真っ赤にさせていた。

「足の力入らないのか?」
分かってて、聞いてやる。これはさっきのお返しだ。
「貴方のせいですよ・・・」
恨めしそうなコイツの顔なんて、なかなか見れるもんじゃない。
この表情を写真に撮ったら、どこかの女子に売れるだろうか。

「ちょっと悪戯しただけだがな。」
「分かってて、言ってるんですか・・・」

もちろんだ。

「けど、そろそろ行かないとまたハルヒに怒鳴られるな。」
「そうですね・・・」
「ほら。」

手を差し出してやると、躊躇しながら、おずおずと手を出してくる。

あぁ、何でこう、初々しい反応をするんだお前は。

「ほら、よっと。」
「わっ」

ぐい、と引っ張ってやると、案外軽い古泉は簡単に立ち上がった。
「もう、危ないじゃないですか・・・」
文句を言ってる古泉の手を引いて、教室を出る。

「あの、手・・・」

別に問題ないだろう。
この時間帯に、校内に残っているやつは少ない。

「ですが・・・」

お前、ちゃんと歩けるのか?

「もう、大丈夫ですよ。」

しかし俺はあえてその言葉を無視して、逆に手に力を込めた。
途端に大人しくなった古泉の顔を見ると、先程よりも赤くなっている。

この顔を見て、何もするなというのが無理だろう。
だが、早く戻らないとハルヒに何を言われるか分からない。

俺は今の自分の理性に、最大の敬意を込めて称えてやりたいね。

 

だけど、どうも今日の俺は悪戯したりないらしい。

 

部室の目の前に来てから、古泉を正面から見る。

 

「古泉。」

「はい・・・?」

 

 


今夜、空いてるか?

 

 

 

あとがき:

初。キョン古小説。
キャラ掴めているだろうか・・・・・・
というよりも、私の中のキョンと古泉はこんな感じ。

 

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2007/10/31 23:13 | Comments(0) | その他(ジャンル色々)

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