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2024/10/06 05:24 |
京狂(KYO)
ずいぶん前に書いたものを発掘。
KYOの、京四郎×狂という、またマイナーなCP
狂ほたとかも、好きなんですけども。
でも、狂受けが1番好きだからどうしようもない・・・・

 

 

「狂、いるんだろ?」


返事がないけど、気配で分かる。
狂は、確かにこの部屋の中にいる。
長年の付き合いだし、ぼくにはハッキリ分かる。


とても、怒っていることも。

 

「入るよ?」

 


ぼくが入ると、やっぱり狂はいた。
窓の近くで、煙草をふかしながら。
穏やかな風景に見えるけれど、今の狂はものすごく怒ってる。
いや・・・・・・・・・

どっちかというと、拗ねてる?


「あ?何言ってんだテメェ」


声に出すつもりはなかったけど、思わず声に出していたみたいだ。


「あ、ゴメンゴメン。けどさ、本当に何でそんなに怒ってるの?」


今日、昼間から狂の様子がおかしかった。
二人で旅を始めてから、狂の機嫌が悪くなることがなかったワケじゃないけど。
その理由が全く分からないのは、初めてかもしれない。
まぁ、そうだったらいいなって理由が、ないわけでもないけどね。
流石に、狂に限ってそれはあり得ないなぁって思ってるから。


「さぁな。自分の胸に聞いてみな。」

 

立ち上がって出て行こうとする狂。

 

「狂?どこ行くの??」


「うっせぇな、散歩だ。ついてくんなよ。」

 

そういうと、イライラしたまま出てっちゃった。
狂、さっきのって、やっぱりぼくの思ってた通りってことなのかな・・・・・・??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ・・・・・・胸くそわりぃ・・・・・・」

何で、俺様がアイツなんかに・・・・・・


誰もいない、河原。
頭を冷やすには、丁度いい。

 

昼間、立ち寄った団子屋。
そこで会った女が、京四郎にやけに馴れ馴れしかった。
それだけだ。


「ちっ・・・・・・・・・」

 

「あら・・・?あなた、京四郎様と一緒にいた・・・」
「あぁ?」


この女・・・昼間の・・・・・・


「こんな時間に、どうなさったのですか?」
「ふん・・・そういうお前は何なんだ?
 女がこんな時間に歩くには、この辺は物騒なんじゃねぇのかよ?」
「あら、心配してくださるの?」
「・・・・・・」
「ふふ、私は今から仕事ですの。芸者、ですから。」
「なるほどな。」
「京四郎様にも、それで1度お会いしておりましたの。」


なるほどな、あの野郎も芸者遊び位はしたことあるっつーことか。


「さきほど、言いそびれてしまったのですけれど・・・
京四郎様に、あの時はありがとうございました、と・・・お伝えいただけますか?」
「何だと・・・?」

「京四郎様には、私達が国の外へ売られようとしていたところを、助けていただきました。
あの時、助けていただかなければ、私は今、こうしてはおれませんでした。」
「そうか・・・・・・・・・・・・」

ふん、やっぱりアイツはお人よしだな。

「あ、それでは時間ですので、参りますね。
京四郎様に、よろしくお願いいたします。」
「あぁ、気をつけるんだな。」

 


女は頭をさげると、優雅な身のこなしで去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「狂、こんなところで何してたの?」
「っ!?」

ぼくが声をかけると、狂は驚いた目でぼくを振り返った。

「さっきの、桔梗サンって言うんだよ。可愛いよね。」
「テメっ、何で気配消してやがった!?」

普段の狂なら、コレくらいじゃ驚かないくせに。

「狂が、桔梗さんと楽しそうに喋ってるから。」
「楽しそうに?テメェ、どこ見てたんだ」
「何って、狂に決まってるだろ」
「なっ・・・」

ぼくは狂の頬に手をすべらす。

「テメェ、何してやがる」

「狂ってさ、最近無防備だよね。」
「あぁ?何言っ・・・っ!?」

狂の唇を、ゆっくりと塞いだ。

「っ・・・・・・・・・」

狂は、女遊びはかなり慣れてる。
けど、こういう受身のキスには、弱いんだよね?

「くっ・・・・・・」
「狂・・・・・・」
「っ・・・・・・んのっ・・・はなしやがれっ・・・・・・っ」
うるさい口は、塞ぐのが1番だよね。


「・・・・・・・・・・・・っ・・・」
ほら、大人しくなった。

「っは・・・・・・はぁ・・・」


狂は、とても色気がある。
流れるような黒髪に隠された顔に、朱がさしている。
着物の、開いた胸元もどこか赤みを帯びていて・・・
ぼくの口付けで、息も絶え絶えになっている狂。


「こんな狂、ゆやさんや紅虎が見たら失神しちゃうかもね・・・?」
「何、言ってんだ・・・ぶっ殺すぞ」

目元潤ませて言ったって、怖くないよ、狂。

「それよりも、さっき桔梗さんと何喋ってたの?」
「あ?何だ、もしかして妬いてんのか?」
「そうだよ。」
「な・・・・・・っ!?」

微笑みかけて、狂を押し倒すと、狂はその紅い瞳を見開いた。

「狂、なんだか今日はずっと変だしさ。」
「てめっ、こんなトコで盛ってんじゃっ・・・」
「もしかして、桔梗さんのことが気になってたの?」
「な・・・・・・」

あれ?

「もしかして、図星?まぁ桔梗さん、ゆやさんに似てるとこあるし・・・」
「ふ・・・」
「ん?狂・・・・・・?」

「ふざけんじゃねーぞ!!!」


ばきぃっ


「いっつぅ~~~~~!!!ヒドイよ狂!!」
「テメェ、まだチンクシャのこと気にしてんのかよ」
「そりゃ、気にするよ!だって、狂は・・・ゆやさんのこと、好きだったんだろ?」

狂の心は、ずっと感じてたから、知ってる。
狂がどれだけ、ゆやさんを大事に思っていたか。

「だから、やっぱりぼくと来るべきじゃなかったんだよ・・・」
「・・・・・・ちっ・・・だからテメェは・・・」
「え?」

狂が、身体を起こして煙草に火をつける。

「テメェこそ、朔夜のことまだ気になってんじゃねーのか。」
「朔夜は大切だ!だけど、それは・・・・・・」

朔夜。僕が、愛した女性。
今も、大切に想っているよ。だけど・・・

「今は、朔夜とは違う・・・・・・今、愛しているのは狂なんだ。」
「・・・・・・だったら、もう2度とくだらねぇコト言うんじゃねー」
「え、だけど・・・・・・」

狂が、あんなにも愛していた、ゆやさん。
2人が一緒にいるのが、きっと自然な姿。僕と狂は、2人とも男だ。
僕は、ゆやさんからも、狂からも、幸せを奪ったんじゃないか・・・?

僕が口ごもると、狂は小さく舌打ちをして立ち上がった。

「狂・・・?」
「・・・そんなに俺様といたくねーんだったら、別にいーぜ?
今から、チンクシャのトコロへ行ってやっても。」
「えっ!?」

本当に、今にも行ってしまいそうな口調に、
僕も慌てて立ち上がる。

「何驚いてんだよ。さっきから、テメェが俺様といたくねーって言ってんだろ?」
「そんなワケ、ないだろ!?」

そんなワケない。そうだったら、僕は今、ここにいるハズがない。

「だったら、何が不満だ?」
「不満、じゃないけど・・・・・・不安、なんだ。」

そうだ、これは不安。
狂が、今僕といることで、不幸になっているんじゃないか、とか。
本当は、ゆやさんのトコロへ、行きたいんじゃないか、とか。

「・・・・・・・・・」
「狂は、優しいから。だから、僕と一緒にいるんじゃないかって・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「桔梗さん、本当にゆやさんに似てるから・・・もしかして、とか・・・」

それに・・・

「それに、狂、僕の名前、今日は1回も呼んでくれないし。」
「・・・・・・んなことで、不安なのかよ?」
「そんなことって・・・僕にとっては、こんなことでも不安なんだよ。」

真っ直ぐに見つめると、狂は一瞬、微笑んだ。

「え・・・・・・」
「いいか、よく聞け。」
「何・・・?」

「俺は、嫌だと思ってたらとっくにいねぇ。」
「うん」

そうだね、狂は自由だから

「2つ目のヤツは・・・テメェと一緒だ。」
「一緒??」
「朔夜への想いと、同じだ。」
「狂・・・」

それって、僕が1番だってこと?

「・・・・・・・・・名前は・・・別に、たまたまだろーが。」
「たまたまって・・・・・・」

なんだか、歯切れが悪いよ?

「別に、名前呼ばねーことなんて、しょっちゅう・・・」
「ないよ。狂、普段は1回は名前呼んでくれてる。」
「んなの、イチイチ覚えてねーよ。たまたまだ。」
「・・・・・・狂、名前呼ばない理由さ、今日ずっと怒ってた理由と一緒?」

「っ・・・」

一瞬だけど、気が乱れたよ?狂?

「あのね、狂。僕、狂が怒ってたワケ、考えたんだけど・・・」
「・・・・・・」
「もしかしてさ、さっきの僕と一緒で・・・桔梗さんに、嫉妬してた?」

僕が言うと、狂は何も答えずに、僕を睨んできた。

つまり、図星なんだね?

「嬉しいよ、狂が妬いてくれたなんて。」
「誰がそんなこと言った。」
「言ってないけどね。いいよ、僕がそう思っておくからさ。」

狂が素直じゃないのは、よく分かってるからね。

「さてと、そろそろ宿に戻ろう?もう随分冷えてきたし。」

「・・・・・・」

僕が先に歩こうとすると、後ろで狂が何かを呟いた。

「え?何??」

振り向いて、狂を見つめる。
紅い瞳は、いつ見ても綺麗だと思う。
真の壬生一族の、紅の輝き。

 


「京四郎」

 

狂が僕の名前を呼んだ。

「ん?何、狂。」
「・・・・・・」
「狂?」

どうしたのかと思って狂の顔を覗き込むと、
少しだけ間をおいて、狂が言葉を紡ぐ。

「京四郎、テメェが不安にならねーように、言っといてやる。」
「ん??」
「俺は、同情だとか、そんな感情で一緒にいるだけのヤツに、抱かれたりしねぇ。」

 

「狂・・・」
「・・・・・・・・・」

 

狂が、まさかこんなことを言ってくれるなんて、思ってなかったから。
嬉しくて、何か、言葉が見つからない。

 

「・・・・・・帰るぞ。」

僕が固まってると、狂はさっさと僕を追い越して歩いていく。


「え、あっ・・・待ってよ狂!」


僕も慌てて狂の後ろを歩く。

 


今も、僕を追い越した狂の顔が、少しだけ赤かった気がして。

それだけで、幸せだと思う僕はどうしようもないよね。

 

 


僕は、朔夜じゃなくて、狂を選んだ。

同じように、狂も、ゆやさんではなくて、僕を選んでくれた。

1度は、裏切って、殺そうとした僕を。


それがとても、信じられなくて、嬉しかった。

 

だから、これからは僕が少しでも、狂を幸せに出来ればいい。

 


狂が、それを望んでくれる限り、ずっと

 

永遠に

 

 

 

あとがき++
初、京狂。・・・なんか、妙に甘いヨ
このCP、少ないんですよね。
というか、まず狂受けが珍しいんですよね(遠い目)
大体、狂京ですよね。うん、それはまぁ、狂さまは最強だし。
だからこそ受けがいいんじゃないk(以下略

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2008/02/15 22:02 | Comments(0) | その他(ジャンル色々)

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