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2024/07/07 22:45 |
カタオモイ(DRRR!!/イザシズ)
お久しぶりです。別ブログに載せてたヤツをこっちに載せとく。
多分、あっちはもう閉めるからなぁ

ツィッターでの呟きより。
あの長ったらしいメモの一部をカタチにしてみた。

臨也→静雄

と見せかけておいて

臨也→←静雄

帝人様が全てを見透かしておられる。という捏造。



 

++++++++++




「あの・・・・」


遠くで自販機が宙を舞うのを眺めながら、
帝人は隣に座る人物に話しかけた。

「何だい?」
「アレって多分、あなたのこと探してますよね。
 なんか、さっきからどんどん近づいてきてる気がするんですけど」
「まぁそうだろうね」

帝人に話しかけられた人物――折原臨也はそう言って笑った。

「いつも思うんですけど、本気で殺そうとしてますよね。アレ・・」
「シズちゃんはいつでも本気さ。そう・・・
 シズちゃんは、俺のコト本気で嫌いなんだよ」

そんなことを言いながらも、臨也の表情は嬉しそうだ。
自分を殺そうとしている人物の話を、
こんなに嬉しそうに話す者など、帝人は他に知らない。

「はぁ・・・」
「でもね、それでいいんだ。」
「いいんですか?」
「いいんだよ。愛なんかより憎しみの方が、心に強く染み付くでしょ。アハハっ」

臨也の言っていることが、帝人にはよく理解できない。
できないから、素直に聞いてみることにした。

「そういうもの・・ですか?僕には、よく解らないんですけど」
「簡単なことさ」

帝人の質問に、臨也は大袈裟に腕を広げて見せた。

「ほら、よく考えてみなよ。例えばだけどね・・・
 『あなたの好きな人間・大切な人間は誰ですか?』なんて問いかけられたらさ。
 答えなんていくらでもあるだろう?『親』『友達』『恋人』『兄弟』・・・
 シズちゃんもきっとそうさ。あの田中トムとか、弟クンとか・・・
 大切だとか思ってるヤツらは何人かは必ずいるもんなんだよ。
 だけどね、『殺したいヤツは誰ですか』そう聞いてみたらさ。
 きっとシズちゃんは、真っ先に俺の名前をあげるんだ!
 俺は素晴らしいことだと思うね。シズちゃんの【殺す】って感情の
 1番大きいベクトルが、俺に向いているんだ。
 分散されてしまう【愛】なんかよりも、よっぽど価値があるじゃないか!」


臨也の視線の先には、数百メートル先で舞うコンビニのゴミ箱。
「そういうものなんですか・・」
帝人も、臨也に向けていた視線をそちらへ向けた。


そして帝人は思う。


折原臨也・・・この人が歪んでいるのは、初めから知っていた。
けれど、こんなにも解りやすい部分もあるんだ、と。

この人は、あの池袋最強・・平和島静雄を、愛しているんだろう。

【愛】よりも【憎しみ】を求めることで、彼の中の特別になろうとしている。


だけど。


(この人・・・ホントに気付いてないのかな)


もう後、数十メートル先まで迫ってくる破壊音。
その音源である、平和島静雄。

彼もまた、同じように・・・折原臨也を愛しているんだろう。


帝人は、そう思っている・・というよりも、そう確信している。


臨也と殺し合いの喧嘩をした後。
臨也が逃げた後。

その背中を見る静雄の瞳を、ある日、見てしまったから。


(自分のことになると、気付かないものなのかな)


帝人がそんなことを思っている間に、臨也はふらりと立ち上がる。


「行くんですか?」
「うん、折角池袋に来たんだから。1回くらいシズちゃんに会っとかないとね」


いつものように笑みを浮かべながら、臨也は街の雑踏に消えた。
直後に、「死ねぇぇぇ!!!」という叫び声。


それと同時に、今度は喫茶店の看板が舞い上がる。



そろそろ此処から移動しなければ、何が飛んでくるか分からない。
非日常を愛してはいるけれど、自分の身が危険に晒されるのはゴメンだ。
ゆっくりと立ち上がって、帝人は2人の戦場の方を見る。


「アレって、両想いになるのかな・・・」


そう一言だけ、夜の街に向って呟いて



帝人は静雄の叫び声と、看板が地面に落ちる音に背を向けた。



 

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2010/07/02 20:44 | Comments(0) | その他(ジャンル色々)

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